外食産業の裏側

外食産業の年収、外食産業の人間関係、外食産業の出世や異動、外食産業の不正、外食産業の衛生管理、外食産業の恋愛や結婚を赤裸々に暴露

新店立ち上げ  さらに断片的に

新店立ち上げ社員は怒られるのも仕事である。

本当に無茶苦茶である。

例えば、まだ新店舗の工事中で冷蔵庫の広さも形状もまったくわからない状態なのに、

本部から派遣された新店立ち上げ社員が僕らにこう言った。

「冷蔵庫、冷凍庫の食材の配置図は持ってるか?」

外食チェーンで働いたことがないとわからないかもしれないが、店舗によってまるっきり

キッチンの形状も大きさも違うので、店が工事中の状態でそんなものつくったところで

どうしようもないので聴くこと自体が本当はおかしいが、

真顔で怒った様子で訊いてきた。

社員の一番格の人が「いえ、すみません」と言うと、

怒鳴りつける。

「おめーら、仕事舐めてんのか!」

「やる気あんのかよ?」

無茶苦茶である。

当然、どのくらいの人数客が来るとかの情報もないので、食材の発注量や一般品の発注量も

食材の仕込み量もわからないので、そういった関係の表もつくれないけど、

絶対、急に用意してるのかを訊いてくるに違いないと思い、

前店で使っていたものを1.5倍ましくらいにして、とりあえず、睡眠時間を削って用意する。

同時にアルバイトに渡す調理の手順や仕込みの手順を簡素化したものも作って用意する。

数日たって、やっぱり、ミーティングで同様に、「おめーら、用意したのか?」と訊いてきた。

一番格の人が、ビクビクした様子で「いえ。。。」と言った瞬間に、

割って入るように「一応、作ってきました。」と言って、そっと出す自分。

一番格の人はホッとした様子である。