外食産業の裏側

外食産業の年収、外食産業の人間関係、外食産業の出世や異動、外食産業の不正、外食産業の衛生管理、外食産業の恋愛や結婚を赤裸々に暴露

竜兵

竜兵、キャンプに行く。一方で犠牲者も出たわけで

竜兵が店の自分の一派を連れてキャンプに行くと言い出した。 一派とは右腕の若旦那と二番弟子のポッターである。 それだけでは寂しいので店にいる大学生とかフリーターにも声をかけていた。 かなり本気である。 控え室であるフリーターの子にはポッターが「…

三人の絆

その日の夜の営業は客が大入りでキッチンはパンク寸前だった。 フロアーを担当していた私はいつキッチンに入ってもいい様に、 キッチンの様子を常に伺いながら準備をしていた。 ディナー帯のキッチン 古参バイトの竜兵は子分の若旦那、ポッターを従え奮闘し…

不況下で逞しく生きる

フロアー担当の大学生がオーダーミスをしてしまったことにより、お客をかなり待たせてしまい、店長がそのお客に呼ばれ、かなり怒鳴られてしまった。 その後、パントリーで大学生は店長に物凄く怒られていた。 その光景をキッチンから竜兵が嬉しそうな顔でみ…

竜兵会 その1

「すいませーん。今のオーダー作らないで下さい。」 慌てた様子で、入って半年くらいの30代前半の主婦のパートが、客席からパントリーに入ってきて、キッチンに向かって言った。 どうやらオーダーミスらしい。 下げ台で私はちょうどお皿を片付けていた。 「…

竜兵会 その2

次の日、店長に昨日の出来事を報告した。 いつものことかぁくらいの感じだった。 もう一押しするために、仲間のおばちゃん一人が私に怒って言ってきたのだが、それを少しアレンジして、おばちゃんたちという複数人にして、「かなり怒ってる様子でいっしょに…

竜兵会 その3

次の日の夕方ちょっと前に、控え室に、竜兵、ポッター、ランチのおばちゃんがいた。 竜兵は若旦那から聞いた出来事を興奮した様子で嬉しそうにポッターに話していた。 「うちの若旦那、結局、店長に謝んなかったらしいぜ!」 「そうなんですか。ラッシュ時に…

オラオラ系

「どうなんだよ?早く決めろよぉ。。。あーん? だから、早く言えって言ってんだろうがぁ。あん?うるせぇーよ。あぁ。そうかよぉ。だからよぉ。もう切るからな。うるせーよ。」 控え室で竜兵は携帯で話をしていた。 竜兵は電話を終えると、控え室を出て行っ…

竜平とクーペ

バイトの大学生の子が、中古のクーペタイプの車を買ったので、控え室で従業員たちがその話で盛り上がっていた。 バイトA、「高かったんスか?」 大学生、「いやぁ、べつに中古だからそうでもないけど、維持費とか結構大変そうなんだよね。」 パートA、「今度…

これが俺たちの竜兵流

人間関係が希薄な世の中である。 傷つくことを恐れるあまり、常に他人と距離をとるような若者が多い。 否、若者だけじゃなく、孤独な老人も多い世の中である。。。 「おい。ポッターよぉ!今度、俺、旅行に行くんだけど、お前も一緒に連れて行ってやるよ」 …

進路指導

高校2年生の男の子が店にいた。 彼は洋服が好きなので高校を卒業したら服飾関係の専門学校に行きたいと話していた。 その話を彼が自分からしたのか、他の人に話したのを聞いたのか知らないが、竜兵が控え室で、その彼の進路について頼まれてもいないのに、口…

君の都合

その年の年末年始の当初のスケジュール表では、若旦那は12月29日から1月1日まで、元々、出勤だった。 しかし、12月27日に竜兵やポッターに出勤を代わってもらい、休みにしたいのでスケジュール表を変更してくれと私に言ってきた。 その為に若旦那の1月2日以…

迎合と品性

「なぁ、ポッターよぉ。ここいらねえだろう?そう思うだろう?」 竜兵はいつものごとく、スケジュール表をみながら、できたスケジュールについて論評していた。 そのスケジュールでは、月曜のディナーの夕方6時台にキッチンに3人配置されているシフトであっ…

やっかいでタフなやり取り

「嫌なのか?イイのか?どっちだ?早く決めろ!」 竜兵は恫喝するかのように青年に選択を迫った。 「いやです。。。」 「じゃぁ、おめぇ、今度からあのトング、ぜってぇ使わせねぇからよ!いいんだなそれで?」 「俺のトング、ぜってぇ使うんじゃねぇぞ!」 …

2人の関係

「別に俺は竜兵さんの子分でも実家の弟でも何でもないんですよ!」 青年は控え室で、今まで溜めに溜めた竜兵への不満を吐き出すように訴えた。 竜兵は顔を真っ赤にさせていつものごとく青年を威圧するように言った。 「あぁ?」 「同じただのバイトなのに。…

管理者の視点を持つアルバイト

「スイマセン。ちょっと、私、若旦那さん、あれなんで。。。お客さんから料理が汚いって言われたんですけど。。。」 20代中盤のフロアー担当の女性は私にすがる様に言ってきた。 「あぁ、はい。じゃあ、僕が。。。」 私はそのお客さんの席に向かって、謝罪し…

竜兵問題 その1

「あの人、一体なんなんですか?」 ナイト以降の時間帯で働いていたフリーターの子が私に竜兵についての苦情を怒りを込めて言ってきた。 「完全におかしいですよ」 「昨日の夜も俺が休憩に入る時に”どこまでやって欲しいんだ?”って横柄に偉そうに言ってきて…

竜兵問題 その2

「うん?」 「俺が彼らを雇って彼らに是非ともこの店で働き続けて欲しいと思ってるとでも考えてるの?」 彼はさっきとは一転して、語気を弱めて言った。 「いや。。。あの。。。スイマセン。。。でも。。。」 「うん。。。まぁ、聞くことはできるけど、おか…

竜兵、メルアドを訊く

「そういやぁ、○○のメルアドしらなかったなぁ」 「おい、おしえろや」 竜兵は控え室でバイトの大学生に言っていた。 大学生は知りたくも無い竜兵のメルアドを教えられて、それを自分の携帯のアドレス帳に入れて、返信するように促されていた。 「よっし、キ…

おかしいと思うけど

日曜のアイドル時間帯、控え室でランチの格闘を乗り越え、しばしの休息をとっていた。 休憩を終えた後は帰りまでフロアーで働くことになっていた。 しばらくすると午後4時からディナーまでキッチンで働くことになっている大学生のバイトの子がやってきた。 …

竜兵、怒る

控え室で竜兵がTシャツ姿でくつろいでいた。 右腕の若旦那が竜兵のデップリと出た腹をみて言った。 若旦那、「とっつぁん、ちょっとは痩せなきゃ、やばいぞ」 竜兵、「わかってんだけどよぉ。なかなかむつかだよ。わかっちゃいるけどやめられねぇんだよ。」 …

竜兵とおにぎり

出社して控え室に行くとフロアー担当の大学生の男の子がいた。 彼の目の前のテーブルには食べ始めたばかりのハンバーグと、さらに6個盛られた不細工なおにぎりがあった。 彼は私に軽く挨拶をした後、訴えるように言った。 彼、「申し訳ないんッスけど、ライ…

ウズラの意志表示

深夜のキッチンで竜兵の右腕ともいえる1番手の手下である若旦那が新人の学生アルバイトに深夜帯の閉店作業を教えていた。 ちなみに閉店作業とはいっても、この店の場合は24時間営業なので、実際に閉店するわけではなく、要は1回つかったモノや場所をきれいに…

ウズラの気持ち

深夜12時過ぎ、竜兵はニヤニヤしながら横柄な態度でパントリーから床磨きをしていたウズラのおじさんに言った。 竜兵「じゃあ、俺、帰るからな」 竜兵「補充とかしっかりやらねえと明日いわれんの俺なんだからよぉ」 ウズラのおじさんはムッとした表情で床磨…

ウズラのおじさん

「あの人って結局、楽することしか考えてないじゃん。。。」 夏の深夜、控え室で廃棄用のアイスコーヒーを啜りながらウズラのおじさんは私にぽつりと言った。 控え室のクーラーの音と外の蝉の鳴き声が未だに記憶に残っている。 ウズラのおじさんはこの店で働…

だから、ポッターが大嫌い その1

竜兵の2番手の手下がポッターである。 私はポッターが大嫌いであった。 その理由は、ポッターをみていると自分を鏡でみているかのようで自己嫌悪に陥ってしまうからである。 いつも、竜兵や若旦那(竜兵の1番手の手下)に迎合し、理不尽で不合理な彼らの価値…

だから、ポッターが大嫌い その2

いつだったか、ポッターと同い年の子持ちの浅黒いフリーターが入ってきた時は、 同い年で自分は先輩なのに、ビビってしまったらしく、デスマス口調で”さん付け”で終始接していた。 その上、おそらく、若くして家庭を持って金で苦労したりでストレスなどから…

竜兵と”からあげ”

「どこまでおわってんだよ!」 嫌味ったらしく上から目線で竜兵が20代のフリーターに対して言っていた。 竜兵は夜9~10時の休憩を終えて夜10時にあがるフリーターと引継ぎをしているという場面であった。 フリーター、「あのぅ。。。からあげの仕込があとち…