高校生にからかわれる事にも慣れた
高校生くらいのグループが客で来ていた。
男子3人と女子1人である。
窓際の角のボックス席でドリンクバーとポテトだけで何時間もいる。
携帯で必要以上にでかい声で話をしたり、ストローとか紙ナプキンでテーブルの上を散らかしたり、
ドリンクバーのグラスも10個以上テーブルに散乱していた。
ピンポーンと鳴った。
番号をみると彼らのテーブルだった。
「はい。ただいまお伺いします」と言い、そのテーブルに行く。
茶髪の襟足がジャンボ尾崎風のピアスの男の子がソファーにあぐらをかいた状態で、
だるそうにテーブルを指差して、「これ片付けて」
と一言いう。
笑顔で「はい。ただいま」と私は言い、テーブルのゴミや飲みかけのグラスをトレーに置く。
長髪に赤いキャップ帽の男子が「このオレンジはまだ飲んでんだよ!」と怒鳴る。
「あ、申し訳ございません」と言い、テーブルに戻す。
続けて長髪の赤キャップが「お仕置きとして入れなおしてきて、オレンジでいいよ。氷は三つね」と言う。
他の三人はニヤニヤしている。
「当店はドリンクバーでして、お客様がご自身で。。。」と私が言うと、
赤キャップが「お仕置きっつてんだろう!」と怒鳴った。
「あぁ、すみません。ですが。。。」
紅一点の金髪にスエット上下の女の子をみると、クスクス笑っていた。
このグループの中にいる時は自分は守られていて、
色んなわがままが世間に通用するとでもいいたげな表情をしていた。
ジャンボ風の男子が「そこでスマイルしなきゃどうすんだよ!」と甲高い声で私に言った。
面倒くさいし他の仕事も押していてここだけにかまってられないので妥協して、「今回だけということで」と言って、私はトレーにいっぱいのゴミとグラスを持って、パントリーに向かいそれを片して、
ドリンクバーで新しいグラスに氷を三つとオレンジジュースを入れて、
彼らのテーブルに持っていき赤キャップの前に「お待たせいたしました」とそれを置いた。
赤キャップは一口飲み、「これバレンシア?国産?どっち?あぁん?」と私に言うのだった。