外食産業の裏側

外食産業の年収、外食産業の人間関係、外食産業の出世や異動、外食産業の不正、外食産業の衛生管理、外食産業の恋愛や結婚を赤裸々に暴露

中学生の集団が来た時、ご意見番のおばちゃんが控え室から登場

近くに中学校があり、文化祭、体育祭、合唱コンクール、卒業式などのイベントの後には、

打ち上げのために集団で中学生がやってくる。

ありえないくらいに一気に同じオーダーがきてキッチンを潰したり、

個別会計を要求してきてレジが大渋滞したり、

通路を挟んでテーブル間で大声で会話を始めたり、

校歌や合唱コンクールの歌を歌いだしたりと、

他の客を一切無視した言動で店は大混乱へと陥っていく。

何のイベントがあったのかは知らないが、いきなり、30人くらいで一気にやってきた。

その時、フロアーのご意見番のおばちゃ 大野さん(仮名)が、

自分の仕事は終わったのに、だらだらと控え室で駄弁りながら、まだ、いたのである。

女子大生のバイトの今日子ちゃん(仮名)が、この30人がやってきたことを、

大野さんに報告に行ったり、大野さんは私に全部任せなさいと、再び、舞台、否、

フロアーへと私服のままやってきた。

「誰がリーダーなの?学級委員は誰なの?」

大野さんが入り口でちょっと高圧的に30人に向かって言う。

色白のいかにも頭のよさそうな男の子がおびえた様子で控えめに手を挙げる。

「ここは食事をする場所ってわかってる?それを理解してもらわないと他のお客さんの迷惑になるから、入れるわけにはいかないの。」

「まず、大声で騒がない。個別会計しない。歌わない。2時間以内に退店する。散らかさない。注文をテーブルごとに一回まで 以上

を守れないんだったら無理だから。」

大野さんは強気に言う。

色白のリーダーは仲間たちとひそひそ話を始める。

「はい。わかりました。よろしくお願いいたします。」

大野さんの仕切りで何とか今回はスムーズにいくことが出来た。

僕が店の奥で接客しているときに大野さんは、いつもの大きな袋を持って退勤していこうとしていた。

その小さな身体はいつもよりも大きく見えた。

僕は大野さんに軽く会釈をした。

大野さんは笑顔で僕のほうをみて、軽く会釈をしてくれた。

ありがとう。。。。。